人工甘味料の摂取をやめて約1週間たちます。やはり肌の調子が良いのと、体内の代謝が上がっています。たいして運動もしていないのですが。今までは自分自身の体調を客観的には体重などで管理していました。体重も立派な指標ですが、やはりこれもリハビリと同様に量ではなく質が大事でしょう。
自身の体調の質的な評価についてお話ししていきます。今回は排便についてお伝えいたします。以前ブログで腸内フローラの言葉をださせていただきましたが、便の状態で様々なことがわかるのです。一般的によいとされているのが、バナナ状で色は金色、匂いはなく水に浮くのが最高です。そのような便だとキレもよく、トイレットペーパーでお尻を拭いても便がつきません。排便時間も重要です。毎日1回、同じ時間に生活リズムの中で誘引されるように行われることです。
また昔の方は臆病な人を「お尻の穴の小さいやつ」などと表現しました。排便は生理現象の一つではありますが、体内の状態を反映すると同時に精神的な面も影響します。例えば親戚の家に泊まりに行くと排便がないことがあると思います。これは生活リズムが変わって誘引される現象がないことや、落ち着いてできないなどの精神的な影響も考えられます。
病院で理学療法士として働いていた時、ほとんどの患者さんは同様に排便がなくなります。排便がないと食事が食べれなくなります。すると食事量を補うため、点滴による栄養補給が始まる場合もあります。しかし元々人間には、「ご飯を食べると腸が動く」という神経反応があります。これを「胃・結腸反射」といいます。腸が良く動く条件として、身体がリラックス状態にあることが挙げられます。身体は、緊張状態にあると、何があってもすぐに対処できるよう血液を脳や筋肉にまわします。このため、消化吸収するお腹への血流は減少するのです。逆に、リラックス状態にあると、エネルギーを得るために消化吸収の働き高めるようお腹への血流が増え、腸が良く動くようになります。緊張するとお腹が痛くなって下痢をしたり、ストレスがたまっていると逆に便秘になったりといったことは誰しもが経験したことがあるでしょう。土日だけは良い排便なのに、平日はずっと下痢か便秘、またはコロコロ便、という人も珍しくはありません。ですから、身体をリラックスした状態にもっていくことは、排便にとってとても大切なことなのです。ところが栄養補給で点滴の管がつながっている状態であれば、ただでさえ環境が変わって不安なのに、リラックスどころではないはずです。
患者さんは入院のきっかけとなった病気から生活のリズムを崩し、その結果全身の歯車が噛み合わなくなっていくのです。このようなことを理解していると、病気による身体の変調は数ある心身の変調の一部に過ぎないと考えることが出来るはずです。
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