今回のブログでは運動の質を変化させるために重要な感覚入力についてお話ししていきます。以前まで手についての例を出してきましたが、引き続き手の治療を通した例をだしてご説明していきます。
コップを持つ時を想像してください。コップを把持するために持続的な指の圧が必要となりますが、コップを割らないでかつ把持しつづける圧の調整はどの様に調整されるのでしょうか。必要な情報としてはコップの素材、コップの表面の滑りやすさ、重さなどが考えられます。その情報を瞬間的には視覚から得られると思います、が実際手で持ってしまえば、映画を見ながらでもコップの水を飲んだり置いたり出来るはずです。これは意識下でなく無意識下での運動となるため、イメージしづらいと思います。(ちなみにほとんどの運動は無意識下で行われています。)指先の5本指でコップの縁との摩擦や圧からの反力、コップから伝わる温度などでそのコップを把持し口に運ぶという運動をどのように達成するかという戦略を瞬時に立てます。
つまり運動を達成するために、まず対象となるものの情報を認知することで、円滑な動作を達成するための運動出力が調整可能となるのです。
手の例を出しましたが、歩行でも同様です。床面の微妙な傾斜や硬さなどの情報を靴底という介在物を通して情報を得て、その後の足を上げる高さや安全に歩ける歩行スピードなど瞬時に調整しています。つまり環境の振る舞いに合わせ、自身の運動を調整しているという事です。
環境に合わせる・・・心身調律サロン 坊のコンセプトでのお話しの際にも、枕へ頸椎の形状を合わせられることが重要とお話ししました。私が重要視する柔軟性のある身体を構築するとは、怪我をしにくくするという事はもちろんですが、環境に適応するため環境に合わせて振る舞いを変えるための絶対条件となります。つまり柔軟性があるということは、感覚が優れていると解釈できます。感覚が優れていると、環境に応じた身体の調整が可能となります。環境に応じた身体の調整が可能となれば、効率的で安全な動作の獲得が可能となるというわけです。
心身調律サロン 坊ではこの柔軟性改善に特化した施術を行なっていきます。予防に対する治療も、怪我に対する治療も同じという意味が少しご理解いただけたのではないでしょうか。
環境に適応できない状態で筋力をつけても、怪我を増長してしまうだけです。坊では施術時間内に運動などは行わず、心身のコンディショニングのみを実施していきます。身体の柔軟性を引き出しさえすれば、その後患者さんが自宅に戻る際の歩行も料理の際の立ち仕事もすべてが、効率のよい運動ということでのリハビリとなっていきます。
今回のブログでは心身調律サロン 坊で提供出来るサービスを理解する良い機会になって頂けたのではないでしょうか。
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