不安が慢性炎症の要因になっていることや、心身機能の低下に繋がることは周知の事実ですが、では慢性炎症や現代病とは無縁であった狩猟採集民の死生観を確認してみます。彼らの社会には「生まれ変わり」の概念が存在し、生と死は常に同じような時間が循環を続ける現在の事象であり、現代人より死の恐怖に強いのは間違いないようです。ただし仮にいくら狩猟採集民の生活や考え方を持つことで、種々の現代病が改善するとしても、心からこの輪廻転生を信じられる人は少ないと思います。
このような違いを考えるとそもそも人間の脳と体が、決して私たちを幸福にするためにはデザインされていないということがわかります。すべての生物は「長寿と繁栄」を目指して環境の変化に適応してきましたが、進化の仕組みは私たち個人の幸福や不幸など気にかけてくれていないようです。そんな中、ミシガン州立大学のメタ分析が他者への貢献こそが普遍的な人類の価値観だと明らかにしました。幸運への唯一のカギは「良い人間関係」だと結論づけたのです。狩猟採集民族も常に平等を掟としながら仲間に尽くしてきました。
それぞれ他者への貢献と感じる価値観は違えど、遺伝子が定めるルール、今まで述べてきた重力下での心身の反応の適正化することで、幸福を最大化することができそうです。
ワシントン州の牧師、ボブ・ムーアヘッド氏による「現代の矛盾」
・私たち人間は、長大なビルを作りあげたが、いっぽうで気が短くなった。
・道路を広くしたわりに、視野は狭くなった。
・便利になったのに、時間はない。
・専門家が増えても、それ以上に問題も増えた。
・薬は増えたのに、健康な人は減った。
その昔の話、かつて学生から「人間は何のために生きているのか?」と質問されたアインシュタイン博士がこともなげにこのように答えたそうです。
「他人の役に立つためです。そんなことがわからないんですか?」
みなさまのご多幸をお祈りしています。
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